第七女子会彷徨:読書感想

投稿者: | 2024年2月14日

一昨日(12日)一気にKindleで購入して読みました。

これほど面白いマンガに久しぶりに出会えて大変満足です✨

この記事ではこのマンガの紹介と感想を簡単にご紹介させていただきます。

なお、直接的なネタバレは含まないように配慮しますが、どうしてもストーリーに触れてしまうため、気にしてしまう方はぜひ、購入されることをオススメします。

(可能ならこんな記事は読まずに、先ず10巻まで読んで欲しいです!)

ストーリーと世界観

1巻の表紙にいる女子生徒(高木さん※手前と金やん※奥側)が中心となる、少し不思議な世界(SF)で繰り広げられる、オムニバス形式の日常ものです。

言葉では説明し辛いのですが、不条理要素もあり、哲学的な考えさせられるものもあり、しかしギャグテイストで物語は進みます。

本編のワンシーン

ただし、物語が後半に進むにつれて核心が明らかになり、テイストも変化していきます。特に10巻(最終刊)はグッときました。

正直今でも放心してしまうというか、鑑定士と顔のない依頼人という映画を見た後のような感情は久しぶりです。

確かに圧倒的なSFでしたが、そこにあったのは等身大の思春期の女子生徒だったんだ、というのを思い起こさせられました。この結末こそが、本当にリアルだなと思います。

死も超越している世界

タイムトラベル要素というのは、どのSF作品にも軽くでも登場しているものです。

本作でも登場していますが、それより驚いたのはこの世界では死を超越しています。

つまるところ、死んでも電子化して天国という場所に望めば住めますし、学生であれば学校に通うこともできるわけです。

こういう要素って結構難しいところかと思っていて、死はいわば不可逆であったり、物語や主人公がかなり大きなテーマとして直面しなければならないことだったり、多くの作品ではそう設定されているように考えていました。

この作品では、さもそれが当たり前かのように登場しますし、あまりこれについて悩まないのです。

これが、凄く新鮮で、鮮烈な印象を受けました。

もう一度1巻から読みたくなる

序盤の巻は基本的に重くないです。SF、ギャグ、不条理、そういう世界で展開されます。

中盤から長めの(話をまたいだ)作品が登場して、少し考えさせられて、9巻から10巻にかけて、リアルな人間関係に落とし込んできます。

しかし、読み終わってまた1巻を読むと違いますね。

特に、1巻を購入したのは結構前で、2021年でした。なので、セルフネタバレありきで読んでもまた違いますね。

ちょっと思ったこと

読み終わって、なんと表現したらよいか、半分放心状態でしたが、星新一の言葉を自分は思い出しました。

青春とはもともと暗く不器用なもので、明るくかっこよくスイスイしたものは 商業主義が作り上げた虚像にすぎない。

きまぐれ博物誌 (角川文庫)

だからこそ、あの輝いていた(そう思える)日々が、ひどく愛おしいのかもしれません。